グリンピース闘争1−present−

                                       present・・・現在






夕飯、それは一日の最後を締めくくる、もっとも楽しみな時間。・・・と思っている人がどれほど居るかはともかく、神威達が仲良く暮らすこの家では、今日は昴流を招いて、五人での夕食となっていた。本日のメニューは空汰特製オムライス、プロ顔負けの出来ばえだ。

「今日は卵が上手いこと巻けたでー。」
自分で言う所がまたいい。
「ほな、食べよか。」
「いただきまーす。」
そしてスプーンを持って第一刀。
(うっ・・・・・・)
若干二名、顔が一瞬強張った。



「ごちそうさま」
ガタ。
最初に食べ終わって席を立ったのは神威。そして、空になった皿を台所に運ぼうとしたが、
「ちょい待て、神威。」
その背中に空汰が声をかける。
「・・・・・・な、なんだ?」
「その皿の上のころころした緑色の物体は何や?」
「・・・・・・・・・(汗)」

それは俗にグリンピースと呼ばれるもの。彩りを添えるためによく使われる食品だ。勿論,彩りとは言っても食べ物には変わりないので全部食べるべきなのだが、なぜか苦手な人が多い。そして神威もその一人だったりする。

「神威、オムライスの中からそんだけ上手いことグリンピースだけ取り出すその技術は褒めたろ。でもな・・・、食いモン残すな言うとるやろっ!!
「だ・・・だって・・・・・・」
「だってもくそもないっ!そんなんやから大きいなられへんねんで!!」

ガアアアアアン・・・
人が気にしている事を・・・。

「でもっ!」
「何やっ!?」
「昴流だって食べてないじゃないかっ!!」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・(汗)」

確かに昴流の皿の上にも明らかによけたと思われるグリンピースが。
「昴流さん、嫌いなんでっか?」
「えっと・・・まあ・・・・・・(汗)」
「ほら、見てみい、神威っ!!大きいなられへんやろっ!!」

グサッ・・・
ちょっと気にしている事を・・・。

確かに昴流は小さい。とはいえ、平均身長が180cmを超えるであろう]男性キャラの中ではの話であって、実際は170cm以上はあると思われる。しかし、空汰のほうが背が高いのは事実だ。(知らなかった人はぜひ]で確認を。)

「そうやって好き嫌いしとるからいつまで経っても譲刃ちゃんと二人で“ちっさい組さんコンビ”とか言われんねんで。二才年下の女の子と目線一緒で悲しいないんかっ?つーか、もうすぐ抜かれそうやろっ!同年代とは見上げな話出来へんやろっ!」
「そ・・・それはそうだけど・・・・・・」
確かに神威はいつも瀬川君を見上げている。それに対し、譲刃と話している時の話しやすそうな顔は、ちょっと涙を誘うものがある。

ちなみに神威の名誉のために言っておくと、グリンピース以外は好き嫌いはない。斗織さんの教育の賜物だ。

「でも、こんなの数粒食べたからって身長は・・・」
「甘いっ!!グリンピース100gにはなんと88mgのカルシウムが含まれとんねんっ!牛乳に迫る勢いやでっ!!」
「そ・・・そうなのか・・・?」

「嵐さん、グリンピース100gってどれくらいですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
深くつっこんではいけない。

「だいたいなあ、この小さいグリンピース一粒一粒には農家のおっちゃん、おばちゃんの愛がこもっとんねんで。しかも、生ごみ捨てたらカラスが襲ってくるやろっ!東京のカラスなめとったらあかんでっ!」
農家の方の愛とカラスの襲撃、どっちが重要なのだろうか。第一、料理をすれば必ず生ごみは出るのだから、今更グリンピースの5粒や10粒、加わったところで大して違いはなさそうだが。そして、カラスの撃退のために平気で電撃を使っている空汰のほうが人間としてどうかと思う。

「せやから残さんと食うんやでっ!!」
うん・・・・・・
「昴流さんもっ!」
はい・・・・・・
とにかく返事はしたものの、人間誰にだって苦手なものはあるわけで、困った顔を見合わせる神威と昴流。美人同士が見詰め合うというのはなんとも絵になるものだが、前にあるのがグリンピースではいまいちしまりがない。

困っている二人を見かねてついに譲刃が申し出た。
「あの、私、代わりに食べましょうか?」
別に、さっさと身長伸ばして神威を追い抜こうというわけではないだろう。しかし、この天使のような申し出は、空汰にあっさりと却下された。

「あかんっ!甘やかしとったらいつまで経っても食べられへんっ!」
別にグリンピースが食べられないぐらいで人生困ることはないと思うが。
「だいたい、地球を守る天の龍が、こんな所でこんな豆ごときに負けとってどないすんねんっ!」
それは,天の龍個人の人格を果てしなく無視した言い方だと思う。

と、ここで譲刃から根本的な質問。
「どうして二人ともそんなにグリンピース嫌いなんですか?」
「それは・・・・・・」
答えは二人見事に一致していた。

「グリンピースは人類の敵だから・・・」

「・・・・・・・・・?」
「誰が言うてん、そんなアホみたいなことっ!」
「小鳥・・・・・・(汗)」
「姉さん・・・・・・(汗)」
何かくらい過去があるらしい。

「だあああああああっ!敵やったら倒せっ!食べるんやっ!それが天の龍としての使命やっ!」
「でも、食べると・・・」
「今度はなんやっ!?」
「洗脳されて人類の敵になるんだぞ・・・・・・。」


       

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