俺があいつを抱いたのは

決して衝動的な欲望のためじゃなく

しいていうならそう

  永遠  が、欲しかっただけ







「永遠を手にいれる方法を教えてあげる」

抱き合って眠るその夢の中で、アイツは俺にそう言った。

「一度だけ強く抱きしめて」

いつもと同じ笑顔は

「そのまま離せばいい」

ただ切なくて痛くて

「そうすればオレは」

口にするのはいつでも

「その幻を追いかけて」

何時か訪れる別れと・・・

「永遠に逃れられなくなるから」





「っ・・・・・・!」

飛び起きて、暗い部屋の中にあいつの姿を探した。白い体は俺に抱かれたそのままの姿で、すぐ隣にあった。

「・・・・・・・・・」

ほっと息をつく。
その吐息を感じたのか、顔に落ちた、睫毛の影が揺れた。

「黒りん・・・?」

名を呟く声が、夢の記憶を呼び起こす。



『永遠を手にいれる方法を教えてあげる』



「ん・・・っ」

気が付けば、俺は荒々しく、その唇を塞いでいた。

「くろっ・・・んぅ・・・・・・」

抗おうとする手を、頭の上にねじ伏せて。
無理矢理割った歯の隙間から、強引に舌を押し込んで。
絡めて強く吸い上げると、組み敷いたからだが僅かに跳ねた。

「は・・・ぁ・・・・・・・・・黒・・・りん・・・?」

相手のことなど、微塵も考えていない、ただ貪るだけのキスに、潤んだ瞳が俺を見上げる。その青い色に、熱が引いていくような感覚に襲われた。

「黒りん?」
「あ・・・・・・」


何でこんなことをしてる・・・?
それは決して、衝動的な欲望のためじゃなく、しいて言うならそう、

 永遠  が、怖かった。

「・・・・・・・・・黒りんは、臆病だね。」

自分の上で固まってしまった俺を見て、ふっと歪んだ顔は、まるで、泣き顔になり損ねたような、そんな笑顔。切なくて痛い、いつもと同じ笑顔。


口にするのはいつだって

何時か訪れる別れと



永遠の恐怖



『一度だけ強く抱きしめて、そのまま離せばいい。そうすればオレは、その幻を追いかけて、永遠に逃れられなくなるから。』


押さえていたはずの手が、そっと俺の頬を包んだ。白い指先はひやりと冷たい。熱を奪い取られる感覚。覚めた頭が、全てを理解する。

「後悔してるの?」
「ち・・・が・・・・・・」

声は、のどに詰まって上手く出てこなかった。

後悔しているわけではない。けれどきっと、こいつの言うとおり、臆病者なのだ。何時か訪れる別れと、別れの後の永遠を、受け入れる覚悟ができないほどに。

「黒りん・・・」

抱き寄せられるままに、首筋に顔をうずめた。

後悔なんてしていない。ただ知らなかっただけ。二人が望んだ永遠の形が、互いに異なっていたことに。

自分の中に求めたこいつと、自分の隣に求めた俺と

どちらが正しいかなんて、きっと答えはなくて

ただ二人とも、その望みはあまりにも悲しく

触れ合う肌に願うのは

どうかこの一瞬

それだけが全てであるようにと。








              すいません、終わらせます。書いてて自分でワケが分からなく・・・(汗)
              哲学は苦手です。永遠ってナニ・・・?
              何時か訪れる別れっていいですね。おいしいですね。(黙れ)
              別に帝国作品にするつもりはなかったんですが、書き始めたらあらぬ
              方向に。しかも1行目から・・・。(逝っちまえ)
              1番ヤバイのは、これを授業中に書く雪流さんだと思います。ごめんね
              先生、これも一種の現国だよ☆(還れ)









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