reason
「黒みゅーって、オレのこと愛してるのー?」
「ああ?」
思わず眉間に皺を寄せたのは、彼の口から愛などという言葉が出るとは思わなかったから。
「何を言い出すんだ、いきなり。」
「じゃぁ、どうしてオレを抱くの。」
「・・・・・・・・・」
思わず黙り込んだのは、返答に窮するほど答えが明確だから。
「丁度・・・・・・手頃な存在だからだ・・・・・・」
適当な言葉を繋げて偽りを紡ぐ
言えるわけが無い
本当の気持ちなんて
戦いの中で味わうスリルと興奮
この行為はそれに変わる快感を得るためのものに過ぎないと
自分にさえそう言い聞かせているのに
「そういうお前こそ、何で俺に抱かれるんだ。」
「んー、オレはねー・・・・・・」
思わず笑ってしまったのは、本当のことを言えば彼はどんな顔をするのだろうと
言えるわけが無い
過去に忘れたぬくもりを求め
あげそうになる慟哭を
喘ぎに変えて紛らわせるためだなどと
答えなど一つしかない
それが真実でなくとも
「愛してるからだよ・・・・・・」
痛・・・・・・(汗)
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