■アマノ様から頂きました♪■ 書物だけが息づく部屋で 一心に 手を伸ばしていた細い後ろ姿は とても無謀備だったと言ったら 君は驚くだろうか ************************ 静けさと冷気が図書室から延びる回廊を満たしていた 二人分の足音が、ずっと先まで響いていく 「さっきの書物は」 「調べものか?」 この時間から――― 「そうですよー」 「今晩中にやっつけてしまいたものがあるんですー」 ファイの息も 並んで歩む王子の息も白い ――子供の成長は早い と、その整った横顔を見ながらファイは思う ついで ――やっぱり自分が縮んだ、なんてことはない ――断じて、ない〜 回廊を取り巻いている風の音が強くなった 「吹雪いてきたか・・・」 「荒れそうですねー」 「今夜はちゃーんとあたたかくしておやすみくださいねー、陛下」 少し 年長者の威厳を保とうとしてみた ・・・のがいけなかったのだろうか 「ファイこそ」 「あまり根詰めて風邪をひかぬようにな」 さらりと返された さらに ――そういう言葉は本来、自分がかけるものではないだろうか 近頃、立場が逆なんではないだろうかと逡巡しているファイを後目に 「我が魔術師殿は」 「セレスの至宝でもあるのだからな」 不意を打たれて 「〜〜!」 「誰がそんなことを〜〜!」 言っているんですか、と 知らず頬を染めてたじろいでしまえば 「さて」 「誰だったかな」 不思議な色を湛えた金色が ――嬉しげに いたずらっぽい光を浮かべた ――ああ、自分はまた 翻弄されている。この瞳に その色を 知っているものがどれだけいるのだろう まして その瞳に映ることのできるものなど ――優しさに吸い込まれそうな金色 これこそを至宝といわずに何と言うのか おやすみ、と ファイを戸惑わせた風のように王子が去ってみれば 「あれ?」 「さっきよりあたたかくなった・・・」 火の気のない場所で長く過ごした身体は 冷え切っていたはずなのに いつの間にか寒さを忘れている ―――それもあの瞳のせいなのか *********************** こんな吹雪の日にも自分の太陽はここにある だって あの瞳よりあたたかいものを他に知らない アマノ様から頂きましたv 子供だと思ってた殿下が突然大人の発言を会得してドキッとしちゃうファイさん。 年齢差カップルの醍醐味ですねv大好きです、こういうのv(年の差凄いけどね) 『我が魔術師』っていう殿下の所有物発言がたまりませんね! 見つめられただけで体熱くしちゃってたら、ファイさんはこの先一体どうなることやら・・v アマノ様、素敵な作品、ありがとうございました♪ BACK |