情景は思い浮かべないほうがいいと思います。下つ弓張り様からご要望があった人魚姫パロ。

海の底に人魚の国がありました。そこの王様には7人のお姫様がいて、一番末っ子のお姫様は瀬川君といいました。
魚類ってのは、男で生まれても成長すると女になるという便利な種類がいるそうですので、深く考えないでください。(すでに無理がある)

ある嵐の夜、瀬川君は、言いつけを破って海の上に出ました。するとなんと、一隻の大きな船が、嵐で沈没するところでした。船の上から人が落ちるのが見えました。

「大変だ、助けなきゃ!」

瀬川君は必死でその人を抱いて泳ぎました。そして夜が明ける頃、無事にどこかの砂浜にたどり着きました。
助けたその人の顔を覗きこんで、瀬川君はびっくりしました。なんと美しい人なんでしょう。泳いでいる時から小柄な人であることは分かっていましたが、顔は人形のように美しく、肌は絹のように滑らかで、顔にかかる髪は、朝日に輝く海水で、真珠を散らしたようでした。

と、そのとき、遠くから誰かがやってきました。人魚である瀬川君は、この姿を人に見られるわけには行きません。あわてて岩場の陰に隠れました。
そこから様子を伺ってみると、遠くからやってきた人は、倒れている彼を覗き込み、驚きの声を上げました。
「これは・・・ヘブン国の神威王子ではないか!」

(王子様だったんだ・・・。)

その人は、お供らしき人たちに命じて神威王子をどこかへ運んでいきました。(貞操の危機・・・?)
これで神威王子はきっと助かるでしょう。(いや、貞操の危機・・・)瀬川君はほっと胸をなでおろし、海の国へ帰りました。
しかし、数日経っても、彼の顔が頭からはなれません。窓辺(海中で?)でため息を繰り返す瀬川君を見かねて、お姉さんお一人が事情を訊きにきました。
瀬川君は、嵐の夜の出来事を、洗いざらいはかされました。
「ふうん、それはずばり、恋ね!」
お姉さまは(ご自由にご想像ください。)話を聞き終えてそういいました。
「恋・・・?」
「そ、貴方はその方に恋をしてしまったのよ!」
しかし人間と人魚の恋など、かなうはずがありません。悲しむ瀬川君に、お姉さまは海の魔女の所に行きなさいといいました。

そしてやってきました、海の魔女の館。
「それで、人間になりたいのね?」
「はい。」
「でも、望みをかなえるにはそれに見合う対価が必要。」
「対価・・・?」
「貴方の対価は、その声。ただし、その王子様を落とせなかった場合は、貴方は泡になって消えてしまうわ。」
こうして瀬川君は、人間になる薬を手に入れる代わりに、魔女に声を差し出しました。

薬を飲むと、喉が焼けるような苦しみに襲われました。岸まで泳ごうともがきましたが、うまく泳げません。瀬川君は、途中で意識を失いました。

誰かの声で目が覚めました。
「大丈夫か?」
「・・・・・・!!」
そこは砂浜でした。なんとか流れ着いたようです。いや、それよりも、瀬川君は声の主を見て驚きました。いつぞやの神威王子です。
「        」
「お前、声がでないのか・・・?」
そう、魔女に声を渡してしまった瀬川君は、自分の名を名乗ることさえできなかったのです。
瀬川君は神威王子に拾われ、城で生活することになりました。
(まいいや、これから一緒に生活するんだから、ゆっくり落とそう。)
心の中でそんなことを考える瀬川君、しかし、神威王子はそのときすでに結婚が決まっていたのです。お相手は、隣のヘル国の封真王子様。瀬川君は彼の顔を見て驚きました。あの砂浜で、神威王子を連れて行ったあの人だったのです。
神威王子は瀬川君にこういいました。
「この前、海でおぼれた時に、この人が助けてくれたんだ。」
違う。そういいたいけれど、声をなくした瀬川君は、何も言うことができません。

こうして結婚式の前日が来ました。王子たちの式は海上で挙げられることになり、瀬川君もその船の上にいました。しかし、気分はブルーです。明日、神威王子が結婚してしまうと、瀬川君は海の泡となって消えてしまいます。
(いっそ夜這いでもかけようかなー)
海を見つめてそんな事を考える瀬川君の耳に、懐かしい声が届きました。
「お姉さま!?」
海の上に顔を出したのは、瀬川君の6人のお姉さま。彼女たちは、瀬川君に一振りの日本刀(おそらく銀龍かと・・・)を渡しました。お姉さまたちの美しい髪と引き換えに、魔女からもらったものです。
「この刀で王子を殺しなさい。そうすれば貴方は泡にならなくてすむわ。」
瀬川君は言われたとおり、神威王子の寝室に向かいました。安らかな寝息を立てて眠る神威王子。瀬川君は刀を握りましたが、この人を殺すなんてできません。
(あ、でも・・・)
ここで瀬川君はお姉さまの言葉を思い出しました。『この刀で王子を殺しなさい』そういえば王子はもう一人いるのです。
(封真王子ならためらいなく殺せる!)(ええええええ・・・/汗)
そう思って瀬川君は封真王子の寝室に向かいましたが、この後彼がどうなったかは誰も知りません。翌日、二人の王子は幸せな式を挙げました。


うわあ・・・。
長い上にしょうもないと来ました。救いようがないですね。あああ、瀬川君、だんだん扱いが悪くなるよ、ごめんなさい〜(><)



     
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