今日は『北風と太陽』

北風と太陽が喧嘩をしました。
北風の名前は黒鋼。太陽の名前はアシュラ王かと思われます。
そしてなかなか決着がつかなかったため、太陽がこう言いました。

「では、あそこにいる旅人のコートを脱がせた方の勝ちということにしよう。」

下心バリバリなその台詞の対象は、言うまでもなくファイさんです。

「ふん、それくらい簡単じゃねえか。」

北風さんもノリノリです。

そして、北風さんから挑戦です。北風さんは、冷たい風をファイさんに向かって送りました。(忍法!?)
「うわー、急に寒くなってきたー。」
しかし、ファイさんは寒いのは平気な方です。へらへらしてます。

北風さんは、コートを吹き飛ばそうと、強い風を送りました。ファイさんのコートのすそが、艶かしく(違)はためきます。
「うわー、風が出てきたなー。」
ファイさんはコートを手で押さえました。

「はっはっは、駄目なようだな。」
「くそっ!」
次は太陽さんの挑戦です。
「服を脱がすというのは、力ずくでは駄目だ。優しさがなくてはな。必要なのは包容力。そうすれば、服など向こうが自ずから脱ぐものだ。」

太陽さん、ベテランのお言葉です。しかし脱がすのは、服ではなくコートです。

太陽さんは、暖かい日差しをファイさんに送りました。
「あれー、急に温かくなったー。」
そして更に日差しを送ると、
「うわー、日焼けしちゃうー。」
ファイさんはフードをかぶってしまいました。肌が弱いに違いない彼は、日焼けすると肌がとっても痛いのです。(萌・・・)

「テメエだって無理じゃねえか。」
「こんなまさか・・・!!」
アシュラ王の精神に1000のダメージ。

しかしここは、男のプライドにかけて、脱がさないわけには行きません。
「じゃぁ今度は俺が。」

「もお、今日は寒くなったり暑くなったり・・・。あ、」
ファイさんは、前方に侑子さんを発見しました。
「魔女さ〜ん。この不安定な気候、何とかなりませんかー?」
「対価は払える?」
「何を払えばいいんでしょう?」
「そうね、」

魔女様は上を見上げました。北風と太陽は、にやって笑われた気がしました。

「じゃぁ、そのコートを頂きましょう。」
「いいですよー。」
ファイさんは、あっさりコートを脱いでしまいました。

「あああああああああああああ!!!」X2

こうしてファイさんのコート脱がせたい会は終了し、魔女様が何をするわけでもなく気候は元に戻りました。

「丁度、こういうコート探してたのよねえ♪」 

一人得をした侑子さんはウキウキだったといいます。

当事者二人がもめている間に、第三者が得をする。『漁夫の利』というお話でした。(北風と太陽では・・・)





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