一寸法師が神威ちゃんに嫌われたようなので、赤ずきんで言ってみます。最後のほう、暗転とかしてますのでご注意ください。

森の中の村に、封真って人がお母さんと一緒に暮らしていました。彼のずきんは、いつも赤く染まっていたので赤ずきんと呼ばれていましたが、その赤が何なのかを言ってしまうと、『火曜サスペンス劇場』と『ホントにあった怖い話』のミックスになってしまうので言えません・・・。(配役・・・)

ある日、封真はお母さんに御使い(みつかい・・・?いや、おつかい・・・。)を頼まれました。森の中でひとりで暮らしているおばあさんが病気なので、ケーキとぶどう酒を届けて欲しいというのです。赤ずきんはいい子なので(?)素直にお使いを引き受けました。

森の仲間は人間だけではありません。この森には人間を食べる狼だって住んでおります。その森の狼のボスは星史郎さんとか言う名前だそうですが、その子供が、そろそろ一人で狩りができるお年頃になってまいりました。
「神威もそろそろ狩りに出かけたらどうですか?」
「狩り・・・?」
「ほら、あそこを赤い頭巾をかぶった子が歩いて行きますよ。村に住んでいる赤ずきんですね。あれなら神威でもしとめられるでしょう?」
「分かった。」

赤ずきんは、森の中の道を、おばあさんちに向かって、てくてく歩いておりました。すると、
「赤ずきん、赤ずきん。どこへ行くんだ?」
急に声をかけられて、見ると狼が立っていました。
「ばあさんちにお使いだ。」(赤ずきん、ガラ悪いな・・・。)
「じゃあこの先の花畑で、花を摘んでいけばいい。きっとおばあさんも喜ぶぞ。」
狼さんは、おばあさんに成りすませば楽に狩りができると思ったのです。そうとは知ってか知らずか、赤ずきんは言われたとおり、花畑で道草を食ってしまいました。(花を摘む封真なんて・・・。)

そして先回りした狼さんは、起こしても起きないおばあさん(牙暁)を、頑張って隣部屋に隠し(平和主義・・・?)おばあさんに変装してベッドにもぐりこみました。
初めての狩りにちょっと胸が高まります。

しばらくして、赤ずきんがやってきました。
「・・・・・・・・・ばあさん。」
「な、なんだい、赤ずきん?」(棒読み)
バレバレです。しかし赤ずきんは気づかないフリ。
「母さんに頼まれて、ぶどう酒を持ってきたんだ。ここに置いとくから飲めよ。病気で家事もできないだろ?オレが代わりにやっといてやるよ。」
そういって赤ずきんは、狼さんの側にグラスに注いだぶどう酒を置き、部屋を出て行きました。(さあ、話が歪んできました。)
(飲まなきゃ、怪しまれるかな・・・。)
赤ずきんが部屋を出て行ったのを確認して、狼さんはぶどう酒に口をつけます。子供の彼にはお酒の味はいまいち分かりませんが、グラスを開ける頃にはなんだかいい気分になっていました。
と、そこへ赤ずきんが帰ってきました。狼さんは慌てて布団にもぐりこみます。
「ばあさん、顔が赤いぞ?酒には強いはずだろ?どうしたんだ?」
「びょ、病気だからじゃないか?」
上手く回らない頭で、狼さんは必死に言い訳を考えます。そして、赤ずきんが近くまで来たら飛び掛ろうと、そっと身構えました。
「ばあさん、どうしてそんなに耳が大きいんだ?」
「お、お前の声が、よく聞こえるようにだ。」
狼さんはまだ赤ずきんのたくらみに気づきません。赤ずきんは、ベッドまで後一歩の距離に近づきました。
「ばあさん、どうしてそんなに目が大きいんだ?」
「えっと・・・お前がよく見えるようにだっ」
狼さんは、そろそろ飛び掛ろうとしました。しかしどうしたことでしょう、体に力が入りません。お酒はまだ早かったようです。
(ど、どうしよう・・・)(@△@)
赤ずきんがベッドの横に立ちました。そしてぱっと布団をめくります。
「あっ・・・」
「ばあさん、随分可愛くなったもんだな。」
「え、えと・・・それは・・・」
「俺に食われるためだろ?」

         暗転


で、森にはお約束の狩人さん(昴流君)はというと、狼パパと逢引中。
「星史郎さん、今日は神威は・・・?」
「ああ、ちょっとね。赤ずきんと遊んでますよ。随分気に入られたみたいで。こっちはこっちで楽しみましょう、昴流君vv」

どうも、狼パパと赤ずきんはぐるだったようですね。裏取引は、どこででも行われてるんだっていう、とってもためになる教訓話でした(違・・・)。

この森・・・。行きたいな・・・(おい。)



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