オレは彼女が大好き。


…じゃあ、君が大好きなのは…?



   大好きなのは




ぽかぽかと暖かな日差しの、とある春の国。
ファイは目の前に座る少女を眺めていた。
…いや、正しくは(本人無自覚の)
幸せそうな顔でたいらげられていく、
自分の作ったたくさんの
ケーキやゼリー、その他諸々の
デザートがのった皿を。


「…おいしいー?」


ファイの質問に、黙々と
動かされている口と手がピタリ、と止まる。
ルナはそのまま
ゆっくり顔をあげると、


「(こくこくこく!)」

と、凄い勢いで首を振った。


その様子に苦笑しながらも
目を細めるファイを見て、
ルナは、はた、と
何かに気づいたように静止すると
小さく首を傾げた。
そしてそのまま、
今しがた自分が食べていた
ケーキの一切れをフォークにさすと、
ずいっとファイの目の前に差し出した。

何度か瞬きをするファイにルナは一言。


「………あーん、して?」



ファイは平静を装うが、内心クラリ、とした。

(…ルナちゃん、て
普段無口なクセに、
たまにやることがいちいち
…可愛いんだよねー…)


ほんの少し緊張した笑顔で、
ファイはそれをぱくり、と口に含む。
それに満足したように
満面の笑みで頷いたルナは
また視線をケーキ達に戻した。


その様子にまた苦笑しながら、
ファイは少し意地悪してやろう、と思った。

「ルナちゃん」

う?という短い一言を発しながら
視線をファイに移すルナ。

「ルナちゃんが大好きなのって「お菓子」………だよねー…。」

即答されたことに少し凹む
ファイを無視してまた食べ始めるルナ。

「…ルナちゃん」

無言で視線を向けられる。
(あ、ちょっと機嫌を損ねちゃったー)


「……クリーム、ついてる」


そのまま、きょとん、とする
彼女の淡い桜色の唇に、キスを、ひとつ。


びっくり顔で固まるルナに
薄く微笑んで、ファイはもう一度、尋ねる。

「…ルナちゃん、大好きなのは、何?」






  大好きなのは

(………)
(………ルナちゃん?)
(………お菓子)

ズルッ

(…ファイの作った、お菓子が大好き)




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夢羽様から相互記念に頂きましたv
楽しいですね、夢小説。お菓子を黙々と食べ続ける主人公さんはまんま雪流さんでびっくりです。ファイさんをくらりとこさせるほどの色気がないのは残念ですが!もうさ、あーんなんてしてもらっちゃった日にはこっちがその場で昇天しますよ!!
携帯サイトのドリーム機能をジャヴァスクリプトでそれっぽく再現してみましたけどどうでしょう。別の名前でもう一度楽しみたい方は、Cookieを削除するか、夢羽様のサイトへトどうぞ!
夢羽様、良い夢をありがとうございました!




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