冬といえば。



「あー、クソ」
風疾が俯いて毒づく。店には客は現在いないが、もし店員がそんな事を呟くのを見た客がいたら
間違いなく感じ悪っ!と思われよう。
「どうかしたのか?」
「手の甲切れた。」
陸王がひょいと顔を出す。風疾は其の“切れた手”を見せる。
「オレは冬は手の動きが鈍るもんだから、よくケガするんだよ。」
利き手じゃないからいいけど。そう言って、風疾は作業に戻る。
陸王は突然、文字通り悪戯を思いついたガキの様な顔をする。
「おい、さっきの傷」
「ん?」
風疾は作業していた片手を陸王の前につき出した。もう片方の手は作業を続けている。
「・・・舐めときゃ、治るよな」
そう言って陸王は文字通り、風疾の手の傷を舐めた。
「――――――っ!!?」
言わば手の甲を舐められた方、風疾は驚愕である。
「何!?」
「・・・って別に、何も悪くはないだろ?」
「悪ィわ!!」
思い切り風疾が振り上げた蹴りはあえなく空を切る。
けけ、と笑う陸王を力なく睨んで風疾は作業に戻った。
暴れる心拍数を抱えて。




紅条ゆまさまから少し前のクリスマスプレゼントに頂いた一品。
普段書かれない合法ドラッグを書いてくださいましたv
雪流さんも冬になるとあかぎれが激しいので、冬の辛さはよく分かります風疾君・・!
それにしても陸王さんってば・・・カッコいい・・・!悪戯に愛があふれています。
こんな薬屋さん、冬に行ったら心がほっこりしますよねv(どういう意味でだか)
ゆま様、ありがとうございました!


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